ミサイルの高性能化に注力、IHIが政府方針に対応
IHIは20日、航空・宇宙・防衛事業領域の説明会を開き、防衛力を抜本的に強化する政府方針に対応し、ミサイルの高性能化や販売拡大に注力する方針を明らかにした。防衛省が2024年度予算案の概算要求で過去最大となる7兆7385億円を計上するなど防衛予算の増額方針を受け、ミサイルの需要増加を取り込む。
オンライン会見した盛田英夫取締役常務執行役員航空・宇宙・防衛事業領域長は「今後5年ではミサイルが一番伸びる」と販売拡大への意気込みを示した。IHIは大型ミサイルの推進系を手がける。政府の防衛力整備計画を受け、ミサイルを当面の成長分野に位置づける。将来は次期戦闘機向けなどエンジンを伸ばす。
一方で、参画する民間航空機エンジン「PW1100G―JM」の不具合が従来より大幅に拡大する問題の業績影響については、11月の23年4―9月期連結決算発表までに回答する方針を示した。盛田取締役常務執行役員は「プラット・アンド・ホイットニー(P&W)などが全体の検査回数や数量を精査しており、その影響がはっきりした時点でできるだけ早くお知らせする」と述べるにとどめた。
日刊工業新聞 2023年09月21日