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日本発スタートアップ誕生、「ライドシェア」成否のカギ

地域交通、持続可能に

地域交通の担い手不足の解決に向け、自家用車で送迎するライドシェアに取り組む日本発のスタートアップが誕生した。newmo(ニューモ、東京都港区)は、メルカリの金融事業に携わった青柳直樹代表取締役をはじめ新事業と先端技術に強みを持つ人材が集結。大阪のタクシー会社に資本参加し、2024年秋から大阪府内でライドシェアを始める。タクシーと組み合わせた事業モデルを構築し、大阪から全国へ広げる。(梶原洵子)

7日、都内で事業戦略説明会を開いた青柳代表は「利用者の視点に立ったサステナブル(持続可能)な地域交通を実現したい」と意気込みを語った。出資先の岸交(大阪府岸和田市)と協力し、安心してライドシェアを利用できる運行管理などのシステムを構築。同システムを使い、タクシードライバーの働き方やタクシー事業の収益も改善する。

投資力の乏しい中小のタクシー会社のライドシェア参入を後押しする。乗客はニューモのアプリケーションを使い、ニーズに応じてタクシーまたはライドシェアとマッチングし、配車を依頼する仕組みとする。

25年内に全国でタクシー会社との提携や営業・開発拠点の開設を進めていく。25年度中に全国各地での展開と、タクシー車両3000台、ドライバー1万人を目指す。

成否のカギは、乗客とドライバーの不安をいかに取り除くかだ。ニューモでは、ドライバー登録時に金融機関水準の本人確認などを実施。ドライバーには研修やオンラインサポートを提供し、女性も安心して取り組めるように支援する。損害保険会社とも協業する。

日本では4月にタクシー会社を対象に部分的にライドシェアが解禁される。ドライバーの高齢化が進む中、異業種からの解決策の提案が期待される。

日刊工業新聞 2024年03月08日

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