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「トラック販売」2カ月連続プラスも、なかなか視界が晴れない理由

トラック業界関係者がまとめた2月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比8・9%増の5203台で、1月に11カ月ぶりに前年同月実績を割り込んだ状態からプラスに転じた。部品不足の解消や、日野自動車が型式指定を再取得した大型トラックの出荷再開などで台数は前年比で増加傾向にある。ただ、架装メーカーの生産能力不足によるリードタイム長期化は続く見通しで、なかなか視界は晴れない。

2月の普通トラック販売状況

大型トラックの販売台数は前年同月比24・6%増の3776台だった。日野自は23年2月中旬まで停止していた主力車種の出荷を再開した反動で、同2・8倍の991台となった。一方、いすゞ自動車は同9・8%減、UDトラックスは同1・2%減だった。

中型トラック販売は同18・3%減の1427台と1月に続いて落ち込んだ。いすゞを除く3社が大幅に前年同月を下回った。同48・1%減の361台にとどまった日野自は「新型モデルへの生産の切り替え準備に時間を要した」と分析する。

いすゞの山北文也企画・財務部門バイスプレジデント(VP)は「リードタイムの長期化は、来期(25年3月期)に急激に良くなることは考えづらい」と指摘しており、今後も予断を許さない状況が続きそうだ。

日刊工業新聞 2024年3月5日

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