細胞代謝経路をVR化、理研の新システムでできること
理化学研究所のエリオット・ジャコパン大学院生リサーチ・アソシエイトと海津一成上級研究員、高橋恒一チームリーダーらは、細胞の代謝ネットワークを仮想現実(VR)中で再現するシステムを開発した。遺伝子や代謝酵素の相互作用ネットワークを表示し、遺伝子欠損などを検証できる。異分野の研究者が集まり探究する場として提案していく。
VRシステム「ECellDive」と代謝データ管理システム「Kosmogora」を構築した。Kosmogoraはデータベースから生体分子の機能やネットワークを取得する。遺伝子を欠損させたり、細胞に化合物を投与したりと細胞応答をシミュレーションできる。ECellDiveでVR端末に表示して代謝ネットワークを操作する。
代謝ネットワークは1000以上の反応が複雑に絡み合う。微生物では有用物質生産、ヒトでは疾患理解の基礎になっている。医療やバイオ、計算科学などの異分野の研究者が連携するため、分かりやすい提示システムが求められていた。
日刊工業新聞 2024年02月22日