トヨタが調達価格を引き上げ、新たに反映するモノ
トヨタ自動車は19日、2024年4―9月期の1次取引先からの調達価格を23年10月―24年3月期に比べて引き上げることを明らかにした。高騰するエネルギー費や材料価格分に加え、新たに職場環境や働き方改善を含めた「人への投資」分を調達価格に反映できるようにする。原価低減活動に伴う値下げ要請は大手企業については最小限にとどめ、下請法の対象となる中小企業については見送る。
同日までに方針を決めた。併せて2月9日には1次取引先に対し、2次取引先以降についてもエネルギーや材料価格、人への投資に関する費用を負担するよう促す書面を送付した。
人への投資は労務費のほか現場へのエアコンの導入なども想定。「1社1社必要なことを議論する」(トヨタ調達担当)という。自動車産業全体の働き方改善や競争力確保に結び付ける狙いがある。
トヨタは4―9月期(上期)と10月―翌年3月期(下期)の年2回、1次取引先に対し原価低減活動を踏まえた調達価格の引き下げなどを求める「価格改定」を実施。同社が価格改定で「人への投資」を加味するのは初めて。22年度上期からはエネルギー費や資材高騰分の反映を認めていた。トヨタの1次取引先は約400社に上る。
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日刊工業新聞 2024年2月20日