価格交渉・転嫁の実態、「優良」「最低」と評価された発注側企業の名前
中小企業庁が調査
経済産業省・中小企業庁は、2022年秋に実施した下請け中小企業を対象とする価格交渉・転嫁の実態調査に関し、発注側約150社の実施状況を示したリストを公表した。個社別に価格交渉・転嫁状況を点数化し、4段階で示した。価格交渉・転嫁状況ともに最も良い区分に入ったのは、住友化学、村田製作所など7社。一方、最低評価だったのが価格交渉は不二越、価格転嫁は日本郵便だった。実態調査を踏まえ、取引状況がかんばしくなかった約30社については「指導・助言」を行う。価格交渉・転嫁を促し、中小の賃上げにつなげる。
22年9月の価格交渉促進月間の後、下請け15万社を対象に実施した実態調査の回答結果を基に作成した。具体的には下請け10社以上から取引先として社名が挙がった発注側大企業150社について、22年3―8月の価格交渉・転嫁状況を回答に応じて10点満点で評価し、平均点数を算出した。
価格交渉に応じたかどうかなどの交渉状況に関して、4段階の中で最も良い「7点以上」を獲得したのは約3割に相当する51社、「4点以上、7点未満」が約5割の75社だった、「0点以上、4点未満」が約1割の21社、「0点未満」が1社だった。
取引価格への価格転嫁では、「7点以上」が8社で約1割、「4点以上、7点未満」が98社で約6割を占めた。「0点以上、4点未満」が41社で約3割、「0点未満」は1社だった。
同日開いた閣議後会見で西村康稔経済産業相は、「日本の雇用の7割を占める中小の賃上げを全力で後押ししたい」と述べた。
日刊工業新聞 2023年02月08日