富士フイルムBIが中国・深セン工場に新棟
富士フイルムビジネスイノベーション(BI)は中国の生産子会社「富士フイルムマニュファクチャリング深セン」(深セン市龍華区)の敷地内に新棟(写真)を建設し、4月に本格稼働を始める。主力のA3対応のオフィス複合機やプリンターの組み立てを担う。深センの工場は同じ区内にある大和工場と銀星工場の2拠点で構成するが、銀星の建物の賃貸契約が3月に満了するため、新棟に生産設備を移管する。生産能力は同じ水準を維持する。
主力の大和工場の敷地内に、2階建ての新棟を建設した。3棟目の建物となる。銀星工場の生産設備を使用し、銀星の従業員も新棟へ移す。銀星は契約満了後、返却する。投資額は非公表。
1月下旬から新棟の一部で稼働を始めており、段階的に生産移管を進めて4月から本格稼働する。銀星から新棟への生産移管に伴い、年間7億円のコスト削減を見込む。従業員の人数や生産量は維持する。賃貸料に加え、部品や製品にかかる輸送費や人の移動費などを削減する。
富士フイルムBIは国内に4カ所、海外に3カ所の生産拠点を持つ。国内では基幹部品を製造し、深センやベトナムで複合機やプリンターを組み立てている。一方で2023年には上海工場での生産を終了しており、事業継続計画(BCP)の観点から1拠点のみでの生産はリスクと捉え、中国とベトナムで並行生産できるよう体制を整えている。
日刊工業新聞 2024年02月08日