東京メトロが5G活用の鉄道システム実証へ
東京メトロは8月から、第5世代通信(5G)を活用した鉄道システムの実証試験を始める。従来鉄道各社は独自の設備で通信システムを構築し、開発コストや維持管理コストの増大が業界の共通課題だった。実証試験を通じ、汎用性の高い5Gの有効性を検証し、鉄道運営の効率化につなげる。デジタル変革(DX)に対応できる次世代通信基盤として標準化を目指す。
鉄道総合技術研究所と日立製作所、三菱電機、NTTコミュニケーションズの4社と共同で実証試験を行う。パブリックとローカルの5Gを用いて、丸ノ内線の新大塚―後楽園駅区間に試作版の鉄道用通信基盤を構築。電波環境を測定するほか、列車運行制御を行うCBTCシステムなどを想定した5G通信の実用性に関する試験を行う。期間は8月から2025年3月まで。
試作版の通信基盤は欧州を中心に規格化が検討されている次世代通信システム(FRMCS)を参照した。
日刊工業新聞 2024年01月26日