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PHTが米で半導体製造装置を本格生産、部品現地調達も

PHTが米で半導体製造装置を本格生産、部品現地調達も

ウエハー搬送装置やロボットの生産を行う米ASTの工場

PHT(フィット、東京都北区、黄清敏社長)は、米子会社のアドバンスド・スペシャル・ツールズ(AST、ミシガン州)で半導体製造に用いるウエハー搬送装置やロボットの本格生産を2月から始める。拡大が見込める北米の半導体製造装置の需要を取り込む狙い。ASTの車載部品向け射出成形事業を縮小し、半導体製造装置向けに転換する。PHTが機器を設計し、ASTが組み立てる。ウエハー搬送装置・ロボットを年間20台前後生産する方針。

PHTは2023年1月に半導体製造装置の生産・販売の北米進出を目的にASTを買収。業績が悪化していたASTの射出成形事業について、同年秋から縮小を進めていた。

ASTの工場の敷地面積は2万平方メートルで、このうち車載関連部品用の射出成形を行っていた約2500平方メートルを半導体製造装置向けに転用する。今後、ウエハーの自動剥離装置や自動洗浄装置の組み立てにも取り組む方針。

ASTが半導体製造装置を生産するための部品は当面、日本などから調達するが、順次、米国での現地調達に切り替える。工場は販売営業や機器メンテナンスの拠点としても活用。従業員も新規事業向けに再編する。ASTの既存事業のうち、精密金型製造や医療用向けの射出成形事業は今後も続ける。

PHTは1980年創業で従業員116人、売上高は約50億円(23年4月期)。半導体搬送システムや同自動剥離装置などを生産している。ASTのほか群馬県太田市、中国江蘇省蘇州市に生産拠点を持つ。


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日刊工業新聞 2024年1月23日

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