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半導体ウエハーを1度に25枚運ぶロボットの機構

ジェーイーエル(JEL、広島県福山市、崎谷信夫社長)は、直径300ミリメートルの半導体ウエハー25枚を一度に運べるロボットを発売した。搬送容器からのウエハーの出し入れを大幅に効率化できる。価格は構成にもよるが、1500万円(消費税抜き)から。年間50台の販売を目指す。

発売した搬送ロボット「KHR=写真」はハンド部を、ウエハーを保持するための25段構造とした。大量のウエハーを保持できるように耐荷重性を向上。動作時に1段1段のハンドが容器などと干渉しないよう、全体の剛性を高めたほか、特別な制御プログラムを開発した。

ロボット本体はアームの水平方向の伸縮と、上下の昇降、旋回の3軸で構成。ウエハーの保持方式は特別な機構を使わない落とし込み方式とした。

25枚は、FOUPやFOSBと呼ばれるウエハー搬送容器の標準的な収容枚数。現在のロボットでは、容器からの取り出しや収納の際はウエハーを1枚ずつ取り扱う必要がある。新しいロボットでは25枚のウエハーを一気に取り出したり収めたりできるため、大幅な効率向上が見込める。


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日刊工業新聞 2022年3月30日

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