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三菱ふそうが電動トラック技術者育成で一手

三菱ふそうが電動トラック技術者育成で一手

EV小型トラック「eキャンター」を視察するトマール工科大の代表団

三菱ふそうトラック・バスはポルトガルのトラマガル工場で、電動トラックの生産技術者教育を強化する。7月以降、同国のトマール工科大学と協力して従業員のトレーニングを始める。同工場ではディーゼル小型トラックと並行して欧州市場向けの電気自動車(EV)タイプを生産しており、増産対応を急ぐ。

電動化技術に対応できる人材を育成、拡充して将来の普及期に備える方針だ。

三菱ふそうの現地子会社である三菱ふそうトラック・ヨーロッパ(MFTE)が、地域の主要な高等教育機関であるトマール工科大とパートナーシップを締結した。MFTEは現在、間接部門を含め600人以上の従業員が在籍しており、このうち20―30人の技術者を電動化技術のエキスパートとして現場のリーダーに育成する。約10カ月間のトレーニングを実施する予定で、需要に応じて期間を延長し受講者を増やすことも見据える。

三菱ふそうのポルトガル・トラマガル工場。EVトラックの増産を見据え、電動化技術に対応できる人材育成を強化する

具体的には高電圧システムの取り扱い技術やEV構造の知識習得、リーダーシップ、継続的改善、チームマネジメントなどをカリキュラムに盛り込む見通しだ。

MFTEは23年5月にEV小型トラック「eキャンター」の量産を始めた。欧州31市場への供給を同拠点で担う。現在MFTEで生産するトラックはディーゼル車の比率が高いが、欧州連合(EU)の環境規制強化を見据え、EVトラック需要が増えるとみられる。急な需要増にも対応できるようにトレーニングを通じた従業員の能力開発を急ぐ構えだ。

日刊工業新聞 2024年1月23日

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