「ガラスコア基板強化に貢献する」…大日本印刷社長が新光電気買収に意欲
大日本印刷(DNP)の北島義斉社長は21日までに日刊工業新聞社の取材に応じ、産業革新投資機構(JIC)や三井化学と共同でTOB(株式公開買い付け)などを通じて買収を目指す新光電気工業とのシナジーに関して「TGVガラスコア基板事業の強化に貢献すると期待している」と述べた。「互いの技術を使えば、機能の異なる複数の半導体チップを一つのパッケージ基板上に高密度で実装して高速伝送を実現する次世代半導体パッケージに役立つ」とした。
次世代半導体パッケージには大面積のパッケージ基板が求められる。だがFC―BGAなど現状のパッケージ基板は樹脂製で、面積が拡大すると平たん性が保てず、反りが起こるなどの問題が生じる。
DNPが開発したTGVガラスコア基板は、反り、剛性・平たん性に優れ、次世代半導体パッケージで採用が進むことが想定される。DNPは同基板で2030年度に300億円の売り上げを見込んでいる。
同社はもともと、独自の強みを有する半導体関連の有力企業として新光電気工業に注目し、潜在的な投資機会の一つとして認識していた。
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日刊工業新聞 2023年12月22日