ニュースイッチ

取り次ぎ流通拠点で書籍製造、国内初の取り組みで出版供給網の収益構造を改善

大日本印刷とトーハンが協議
取り次ぎ流通拠点で書籍製造、国内初の取り組みで出版供給網の収益構造を改善

デジタル製造ラインのイメージ

大日本印刷(DNP)とトーハン(東京都新宿区、近藤敏貴社長)は、トーハン桶川センター(埼玉県桶川市)への書籍製造ラインの導入に向けた協議を始めることで合意した。DNPによると出版取り次ぎの流通拠点内で書籍を製造するのは国内初の取り組み。読者の需要に応じた商品供給を強化する。新製造ラインはDNPの久喜工場(同久喜市)のデジタル製造機械の一部を移設する予定で、2025年度中の稼働を目指す。

出版社と連携して書籍製造用のコンテンツデータを預かり、需要に応じて少部数に対応した印刷・製本を行い、注文から短時間で出荷・販売する。全国の書店に配送する拠点であるトーハン桶川センターで書籍を製造し、製造と流通の連動を強化してデジタル印刷を取り入れた柔軟な供給体制を構築する。

読者の満足度を高めるほか、書店や出版社の販売機会拡大を図る。一時的な欠品や供給過剰により発生していた返品の削減につながり、出版サプライチェーン(供給網)上の各企業の収益構造の改善に寄与する。

トーハンは新製造ラインの運用開始を踏まえ、24年夏をめどに桶川センターの在庫管理システムを全面的に刷新する。

日刊工業新聞 2023年10月31日

編集部のおすすめ