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リニア中央新幹線で導入検討…施工時間4分の1、ボルト点検向け新塗料

プラナスケミカルが独自工法用に開発
リニア中央新幹線で導入検討…施工時間4分の1、ボルト点検向け新塗料

新塗料をボルトの一部分に塗布。緩みが発生時はLED照射で発光

プラナスケミカル(名古屋市緑区、高橋康一社長)は、橋梁や鉄塔など点検作業が難しい構造物など向けでボルトの緩みを検出する独自の「クラディス工法」用に新塗料を開発した。塗料成分の最適調整により、塗料を塗布して硬化させる施工時間を従来比4分の1に短縮。また、従来塗料の施工では専用の紫外線(UV)照射機が必要だが、新塗料は一般的な可視光発光ダイオード(LED)ライトで施工可能。低コストで複数人での施工を実現する。

クラディス工法は、ボルト・ナットと基材との間にUVで発光する柔軟性の高い蛍光塗料を塗布。硬化後にUVを遮る硬質塗料をかぶせるように塗布して硬化させる。

ボルト・ナットに緩みが生じると、上塗りした硬質塗料だけが割れて下の蛍光塗料が露呈。そこにUVを照射すると発光するため、目視で緩みを検出でき、構造物などの点検作業を効率化できる。

新塗料は、トンネルや車体などに同工法の採用を検討するJR東海と改良を重ねて開発した。蛍光塗料の硬化速度を早め、従来塗料はボルト1本で2分かかっていた施工時間を約30秒まで短縮した。

また塗料の粘度を上げ、ボルトの全周ではなく一部への塗布で施工できるようにしたことで、材料コストと塗布の手間を抑えた。

非接触で遠隔からの緩み点検ができるため、JR東海ではリニア中央新幹線向けで同工法の導入を検討している。JR東海のリニア開発本部山梨実験センターの島村次郎副長は、「過酷な環境で走行するリニアで実証することで、広く一般での展開も見込める」と話す。

日刊工業新聞 2023年12月13日

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