ニュースイッチ

直径4mmネジに0.5ミリ穴貫通する加工法がスゴイ、半導体製造装置など需要見込む

北田鉄工所が開発
直径4mmネジに0.5ミリ穴貫通する加工法がスゴイ、半導体製造装置など需要見込む

直径4mmのネジに0.5mmの穴を貫通(右)、厚さ36ミリのボルト頭部に1ミリの穴を貫通(左)

勘と経験で刃を研ぐ―。北田鉄工所(大阪市鶴見区、北田隆雄社長)は、市販品のドリルを研ぎ、難削材に深穴を開ける加工を得意とする。このたび直径4ミリ×長さ8ミリメートルのステンレス製ネジに直径0・5ミリメートルの縦穴を貫通させる加工方法を開発。一般的な放電加工に比べて加工コストを3分の1ほどに抑えられ、半導体製造装置をはじめさまざまな分野での需要を見込む。

鋼種「SUS304」の六角穴付き止めネジに貫通させた。手作業で1日に約300個を加工する。ドリルが市販品のままだと「刃が鋼材に食い込まない」(北田社長)ため研ぎ直し、削りかすが中で詰まらないようにする。「この加工は簡単にまねできない」と北田社長は胸を張る。

ほかにも厚さ36ミリメートルのステンレス製ボルト頭部に、直径1ミリメートルの横穴をドリルで貫通させた。ボルトが緩まないよう穴にワイヤを通して固定でき、振動する部品などに使える見通し。北田社長は「ステンレスは粘りがあり固い。刃を折らずに穴を開けるのが難しい」と説明する。


【関連記事】 世界の半導体工場で、揺るぎない信頼を集めるクリーン搬送装置
日刊工業新聞 2023年08月08日

編集部のおすすめ