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強度3倍、安藤ハザマが超高強度の吹き付けコンクリート開発

強度3倍、安藤ハザマが超高強度の吹き付けコンクリート開発

超高強度コンクリートの吹き付け作業

安藤ハザマは脆弱(ぜいじゃく)な地山で掘削する山岳トンネル向けに、設計基準強度を1平方ミリメートル当たり54ニュートンに引き上げた超高強度吹き付けコンクリートを開発した。鋼製の支保工と高耐力ロックボルトを組み合わせた二重支保工の吹き付けコンクリートとして適用することで、支保工で生じる変状を防げる。地山の条件が悪く、大きな変状の発生が想定されるトンネル工事に展開する。

同社の「大容量・低リバウンド吹付けコンクリートシステム」で配合を設計し、高い強度と従来並みの施工性を両立。普通強度の吹き付けコンクリートの3倍、高強度の1・5倍の強度を持つ吹き付けコンクリートを完成した。これを実際のトンネル工事に初めて適用し、掘削時の地山からの押し出しによる変状の発生を軽減できることを確認した。

国土交通省から受注した「平成30年度三遠南信池島トンネル本坑工事」に適用した。同工事は青崩峠トンネル(仮称)のうち静岡県側の2144メートルを建設するもので、構造物の天端から地面の表面までの土被りが最大約600メートルあるほか、国内最大の断層「中央構造線」に近く地質が複雑なため、支保工の耐力をもう一段高める必要があった。

日刊工業新聞 2023年04月13日

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