「キャシュカイ」「ジューク」EV生産、日産が英に投資積み増し5610億円
日産自動車は欧州の主力生産拠点である英国サンダーランド工場で、クロスオーバー車「キャシュカイ」と「ジューク」の電気自動車(EV)の生産を始める。同工場で生産しているEV「リーフ」も新型を生産する。これで従来の投資計画を拡大し、投資総額は最大30億ポンド(約5610億円)となる。日産は2030年までに欧州で販売する新車をすべてEVとする計画で、世界で最も厳しい環境規制が進む欧州でEVシフトを加速する。
日産は21年にサンダーランド工場をEV生産のハブとする構想を打ち出し、同工場の設備や車載電池を供給するAESCグループによる新たな電池工場の建設などで、最大10億ポンド(約1870億円)を投資する計画を発表していた。今回、同工場で新たにEV化する欧州向けの主力2車種と新型リーフの生産、それに伴う三つ目の電池工場棟の建設を決め、投資額を積み増した。
新たに生産するキャシュカイ、ジューク、新型リーフという三つのEVは、既に発表している「ハイパーアーバン」「ハイパーパンク」「チルアウト」というコンセプトモデルを基にそれぞれ開発する。いずれも発売時期は公表していない。
日産は24日にサンダーランド工場でメディアイベントを開き、スナク英国首相らが出席した。内田誠社長は「英国最大の自動車工場であるサンダーランド工場を、当社の将来ビジョンの中心に据えている。英国チームは将来のクルマのデザイン、設計、生産を行い、欧州における日産の完全EV化をけん引していく」とコメントした。
日刊工業新聞 2023年11月27日