日産が通期上方修正で売上高最高へ、販売不振の中国はどうする?
日産自動車は、2024年3月期連結業績予想を上方修正し、売上高が7月公表比4000億円増の13兆円(前期比22・7%増)、営業利益が同700億円増の6200億円(同64・4%増)となる見通しを発表した。売上高は過去最高を更新する見通し。中国は販売不振が続くが、半導体不足の影響が薄れ他地域の販売台数が増えることや、為替の円安効果などを織り込んだ。世界販売台数計画は7月公表の370万台を変更しなかった。
中国市場への対応では、26年までに新エネルギー車(NEV)を投入し、販売の回復を図る。日産ブランドでは24年下期に投入するDセグメントの電気自動車(EV)を皮切りに、プラグインハイブリッド車(PHV)も展開。東風汽車との合弁会社のブランドからも23―26年に6車種を投入する。中国内の工場で生産する日産ブランドのNEVなどを25年から中国以外に輸出し、工場稼働率の改善や他地域のラインアップ強化につなげる。
また、日産は23年秋に予定していた中期経営計画の発表を延期した。内田誠社長は「ビジネス環境が大きく変化する中で、長期ビジョンを実現する通過点として具体的な計画を示すことが重要」とし、23年度内に計画をまとめる考えを示した。
23年4―9月期連結決算は中国を除く地域の販売台数増や販売構成の改善、価格改定などにより、売上高は前年同期比30・1%増で過去最高、営業利益は同2・2倍だった。
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日刊工業新聞 2023年11月10日