おでこに貼って睡眠改善、NTTが新サービス開発
NTTは体の表面に貼るセンサーで体内の深部体温を測定し、睡眠の質の改善につなげるサービスを開発した。深部体温測定の指標となる直腸温度センサーと同等の測定が可能な小型センサーを睡眠時におでこに貼る。そのデータを分析し、スマートフォンアプリケーションに表示。最適な起床時間にアラームを鳴らし、生体リズムを整える。2025年度をめどに看護師など夜勤のシフト業務がある企業の健康管理部門への発売を目指す。
脳や臓器といった体内の温度を示す深部体温は、脇の下などと違って外気の影響を受けにくい。睡眠ホルモンとも呼ばれる血中メラトニン量とも相関関係があるため、血液採取が必要な血中メラトニンよりも容易に測定が可能。睡眠時などに測定し続けることで生体リズムを把握できる。
深部体温は就寝前から下がりだし、起床約2時間前に最低の温度になって上昇し始め、午後に最高を記録する。この変化をスマホアプリで見える化し、最適な生体リズムと現状のズレを指摘する。
人が夜更かしや夜勤などで生活スタイルが変化した際は生体リズムが遅れ始め、時差ボケのような症状が出てしまう。深部体温が最低を記録してから2時間後に光を浴びると生体リズムが整うため、最適な就寝時間や睡眠時間をアプリで知らせるようにする。
NTTは既にセンサーの開発を完了。今後は商品化に向けたサービス検証を進める。スマートウオッチなど睡眠状況を計測できる他の機器とも連携し、より質の高い計測を可能にすることも検討していく。
日刊工業新聞 2023年11月23日