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わずかな筋の動作で命令、NTTがメタバース入力装置

わずかな筋の動作で命令、NTTがメタバース入力装置

開発した入力装置を用いた筋電入力

NTTは残存しているわずかな筋の動作でメタバース(仮想空間)内の操作を命令できる入力装置を開発した。四肢などが不自由な重度身体障がい者が、脳信号入力や視線入力に加え、表面筋電信号入力を自分の意思を伝えるための身体拡張技術として利用できる。視線入力とアバター(分身)表現を組み合わせたメタバース上でのキャラクター操作などを行えるようにする。

数ミリメートルの身体部位の動きを観測できる筋電センサー(sEMG)を活用する。身体部位を意図して動かそうとする際に別の身体部位の筋も反応している場合があるため、安静時のように筋が脱力した状態をsEMGの基準値に設定。筋収縮の動作判定に使うしきい値を身体部位ごとに設定するようにした。

各身体部位の筋収縮の動作判定に応じて各操作命令を決めることで、筋を長時間収縮し続けることや筋収縮に強弱をつけることによる操作命令を避け、筋疲労に配慮した。例えば、指の伸展動作に応じてメタバース上のアバターが手を挙げる場合、伸展に応じて上がったアバターの手は一定時間上がり続けるようにする。

日刊工業新聞 2023年11月14日

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