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フォークで床版更新、西松建設などが専用治具開発

フォークで床版更新、西松建設などが専用治具開発

実物大の模擬床版を使った実証実験で施工性を確認した

西松建設とオックスジャッキ(東京都中央区、山本將人社長)は、クレーンによる作業が難しい環境下での床版取替工事向けに、フォークリフトに取り付ける専用の「床版作業用治具」を開発した。リモコン操作により、設置する床版の位置を微修正できる。床版を把持・揚重する鉛直ジャッキは、新設床版に設置する把持金物と同じく8本とした。

専用治具の性能検証のため、実工事で設置する新設床版と同サイズの模擬床版を作成。その上で専用治具を24トン級の大型フォークリフトに装備し、床版を運搬・設置する試験を行った。この結果、許容される精度での床版設置に要した時間は2分25秒と一般的なクレーン作業と同等で、十分な施工性を持つことを確認した。

高速道路は老朽化が著しく、2030年には開通から30年以上経過した道路が約8割になるとされている。このため高速道路各社は老朽化や変状が発生した床版の取り替えを進めているが、新設床版の設置に用いるクレーンが周辺環境で使用できなかったり、作業時間が制限されるなどの課題があった。


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日刊工業新聞 2023年11月16日

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