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大林組・西松建設・東急建設…ゼネコンは建設機械のCO2削減にどう挑むか

大林組・西松建設・東急建設…ゼネコンは建設機械のCO2削減にどう挑むか

大阪・関西万博の関連工事でB100燃料を使用する(大林組)

ゼネコン各社が建設現場で排出される二酸化炭素(CO2)の削減に向け、建設機械の燃料に廃食油を活用する技術の確立に乗り出している。大林組は2025年大阪・関西万博の工事で、100%バイオディーゼル燃料(B100燃料)を使う実証実験を開始。東急建設や西松建設も、廃食油などによる代替燃料の適用を進める。軽油の代替燃料として、燃料の調達から精製、供給までを循環させる仕組みを整える。

大林組は大阪本店や西日本ロボティクスセンターから回収した食用油と一般家庭から出た廃食油を使い、B100燃料を精製。これを建機に供給することで、建設現場から排出されるCO2の約7割を占めるとされる軽油燃料の使用量を引き下げる。すでに、別の建設現場で20%バイオディーゼル燃料で建機を動かす検証を実施。問題なく稼働することを確認している。

実証実験ではまず、製造委託先でB100燃料を精製。それを燃料油の配送事業などを手がける松林(京都府宮津市)が運び、西尾レントオールから借りる油圧ショベルや発電機で利用する。建機の保守作業や、動作を監視する手法の確立も目指す。さらに、再生可能原料を水素化処理して精製した「リニューアブル・ディーゼル燃料」をフォークリフトで使う検証も行う予定。

東急建設も5月、廃食油や動植物油から生産したリニューアブル・ディーゼル燃料を国産のクローラークレーン2台に初めて適用した。既存の重機や設備にそのまま供給できるドロップイン型燃料で、エンジンの改修や追加の設備投資が必要ない。同社は海外製の重機1台でも同燃料の使用実績があり、メーカーや台数の幅を広げることでCO2排出量の大幅削減につなげる。

一方、西松建設は使用済みの天ぷら油などから生産した次世代型バイオディーゼル燃料(HiBD)を発電機と油圧ショベルで使う実証実験を実施。正常に運転でき、代替燃料として適合することを確認した。燃料の消費量のほか、運転後の燃料ホースや各種フィルターへの問題もなかった。一般のバスやトラックでも、大規模な改修なしに利用できる可能性があるという。

日刊工業新聞 2023年07月20日

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