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半導体の学び直し広がる…九州で先行、北大もスタートへ

大学が相次いで半導体のリカレント(学び直し)教育に乗り出している。北海道大学はリカレント教育プログラムを2024年度にも始める。ラピダス(東京都千代田区、小池淳義社長)が北海道千歳市で進める工場建設計画に合わせて、社会人経験者を半導体人材に育成する。台湾積体電路製造(TSMC)が進出する九州でも、リカレントを通じた半導体人材の供給体制を強化している。

北大が製造業を対象にしたリカレント教育プログラムを設けるのは初めて。24年度はトライアル、25年度には本格的にスタートしたい考え。ラピダスによる次世代半導体の開発製造計画を受け、北大は「半導体拠点形成推進本部」を発足。リカレント教育の導入は同本部を中心に進める。

北大院教育推進機構のリカレント教育推進部によるプログラムが23年から始まっており、半導体分野のリカレント教育もこの枠組みを使う見通し。受講生は30代から40代以上、トライアルでは数人から十数人の受講者数を想定している。

山口淳二同本部長(北大理事・副学長)は「ラピダスは27年度には回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体量産に入る計画だが、北大がリカレントを含め今後多くの半導体人材育成を進めるのは、さらに先々を見据えるもの」としている。

九州工業大学は「半導体中核人材リスキリングセンター」で、教育プログラムの件数を拡充し、社会人ドクターを新たに受け入れる。九州大学は「価値創造型半導体人材育成センター」を6月に開設。当初は同大の学生が対象だが、将来は社会人にも門戸を開く予定。

政府は半導体を経済安全保障上の重要物資と位置づけ、巨額の補助金を使って国内の生産体制増強を急ピッチで進めているが、関連人材の育成が追いついていない。政府は成長分野への労働者移転を促す政策も打ち出している。


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日刊工業新聞 2023年11月02日

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