パワー半導体で採用狙う、東洋インキSCHDが無加圧焼結・高放熱性の焼結型銀ナノ接合剤
東洋インキSCホールディングス(HD)は、パワー半導体のチップなどに使うことで、無加圧焼結と高い放熱性を両立できる焼結型銀ナノ接合材を開発した。次世代品として量産化が進む、炭化ケイ素(SiC)デバイスなどへの採用を見込む。顧客へのサンプル提供を始め、2024年度の発売を目指す。
熱伝導率は1メートルケルビン当たり300ワット以上、接合強度は40メガパスカル(メガは100万)以上を示す。開発品は大量のチップを同時に焼結できることに加え、焼結時間が5―30分と従来品より短い。銅基板とも直接接合でき、薄膜チップや特殊形状のチップにも対応する。
SiCは従来のシリコン(Si)と比べ動作温度が高くなる。このため、接合材にも高い耐熱性と放熱特性が必要で、普及する鉛フリーハンダに代わる接合材が求められていた。
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日刊工業新聞 2023年10月25日