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パワー半導体の電力損失30%以上削減、東北大学が結晶構造異なるSiC積層に成功

パワー半導体の電力損失30%以上削減、東北大学が結晶構造異なるSiC積層に成功

SiCパワーMOSFETデバイスの断面図 (左)従来の4H-SiC基板を用いた場合、(右)4H-SiC基板にCHESS-MOS®を取り入れた場合(東北大学提供)

東北大学の桜庭政夫准教授、佐藤茂雄教授、長康雄特任教授らは、CUSIC(仙台市青葉区)と共同で、結晶構造が異なる炭化ケイ素(SiC)同士の切れ目ない積層に成功した。SiCパワー半導体の信頼性を向上するほか、電力損失も30%以上削減できる。高性能化と省エネルギー化が両立可能になる。

研究グループは、結晶構造が立方晶の3C―SiCと、六方晶の4H―SiCを積層させたハイブリッド構造基板を同時横方向のエピタキシャル成長法を用いて製作。さらに、絶縁膜を形成したハイブリッド構造基板の表面の界面準位密度を走査型非線形誘電率顕微鏡法で計測したところ、3C―SiC表面の密度を4H―SiC表面の200分の1以下まで大幅に減らせることを確認した。

界面準位はSiCパワー半導体の電力損失の原因となるため、これにより電力損失の削減が見込める。

9月に行われた「第84回応用物理学会秋季学術講演会」などで発表した。


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日刊工業新聞 2023年10月11日

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