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パワー半導体性能・寿命チェックを受託、キーナスデザイン来月開始

パワー半導体性能・寿命チェックを受託、キーナスデザイン来月開始

パワーサイクル試験受託サービスで使うチャンバー(中央)

キーナスデザイン(東京都東大和市、橘純一社長)は、パワー半導体に任意の負荷電流を繰り返しかけて性能・寿命を測る「パワーサイクル試験受託サービス」を10月から始める。同社がラインアップするチャンバーやバルブユニット、各種治具などと同試験装置を組み合わせシステム化した。パワー半導体メーカーの開発・品質保証部門などに訴求する。同サービスで初年度売上高1100万円を目指す。

パワーサイクル試験装置はシーメンス製ラックマウント型を導入した。同装置は6チャンネル仕様に変更しており、6個のパワー半導体を同時に試験できる。1系統の最大電流は600アンペア。半導体内部の熱抵抗を非破壊で測れる。

試験対象となるパワー半導体を固定するチャンバーも6系統の水冷モジュールなどを備え、安全面に配慮した特殊仕様。同デバイスを主に冷却するチラーは2機種を用意し、能力を高めた。循環液温度は25―80度Cに対応する。こうした設備を使い、さまざまな試験要求に応えていく。

キーナスデザインは2006年設立。熱やノイズ対策を考慮した機械設計を得意とする。今回の受託サービス参入により「ユーザーの使用環境を再現して知見を高める。パワー半導体メーカーの試験負担軽減に役立ちたい」(橘社長)としている。


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日刊工業新聞 2023年09月27日

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