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“究極”のパワー半導体実現へ、筑波大がサファイアの電気伝導に室温で成功

“究極”のパワー半導体実現へ、筑波大がサファイアの電気伝導に室温で成功

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筑波大学の奥村宏典助教らの研究グループは、絶縁体であるサファイア(酸化アルミニウム)の室温での電気伝導に成功した。サファイアはバンドギャップ(禁制帯のエネルギー幅)が大きく、高品質で安価。サファイアのパワー半導体が開発できれば、電気自動車(EV)などに搭載できる可能性がある。

奥村助教らは結晶成長の方法にプラズマを用いた「プラズマ援用分子線エピタキシー法」を採用。これを用いてシリコンを添加した590ナノメートル(ナノは10億分の1)厚のα型酸化アルミニウムの薄膜に30ボルトの電圧をかけ、1ミリアンペアを導電した。

さらに室温での膜中の抵抗値を測定したところ、半導体の性質と定義される数値(166オームセンチメートル)を確認した。半導体デバイスとしての実用化にはまだ多くの課題を残す。

だが、これまで絶縁体として使われていたサファイアを半導体として使うことができれば、次世代パワー半導体材料の炭化ケイ素(SiC)よりも安価で、大量生産が可能な究極のパワー半導体の実現が期待される。9月に開かれた「第84回応用物理学会秋季学術講演会」で発表した。


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日刊工業新聞 2023年10月16日

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