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EVトラック拡販狙ういすゞが協業、米充電設備メーカーの強み

EVトラック拡販狙ういすゞが協業、米充電設備メーカーの強み

いすゞ自動車は北米で来年にEV小型トラックを発売することに先駆け、充電器メーカーのチャージポイントと協業する

いすゞ自動車は2024年に北米で発売する小型トラック「Nシリーズ(日本名エルフ)」の電気自動車(EV)仕様の拡販に向け、EV充電設備メーカーの米チャージポイント(CP)と協業する。いすゞは推奨充電器としてCPの装置を顧客に提案。CPは充電器施工などを通じて顧客の円滑なEVトラック導入を支援する。米国では脱炭素の潮流を受け商用車の電動化が進む。EV周辺設備に知見のある企業と組み、拡販につなげる。

いすゞの米現地法人がCPと協力する。CPは北米と欧州で事業を展開し、23年7月末時点の充電ポート数は25万5000程度で、米国ではトップシェアを握る。多様な地域、案件向けの充電器の提供・設置に加え、充電管理ソフトウエアを含めた充電マネジメントサービスも一貫して提供できるのが強み。充電器向け補助金制度の活用支援サービスも提供する。いすゞは北米でEVトラックを展開するにあたり、販売店や顧客向けのEV運用支援のパートナーとしてCPが最適と判断した。

発売に先立ち、米国本土とカナダのトラック販売店を対象にCPと共同で器材の扱い方や車両充電の運用方法などのトレーニングを予定する。EVトラックの販売準備が整った店舗から順次始める。

いすゞは現在、北米でディーゼルエンジン仕様のNシリーズを販売。エンジンの上にキャブ(運転席)を置いたキャブオーバー型としてニューヨーク州やカリフォルニア州など都市部を中心に売れ行きを伸ばしている。積載スペースの広さや視認性、旋回性など使いやすさに定評があり、都市部の倉庫間配送や店舗配送などで利用される。カリフォルニア州など厳しい排ガス規制を設ける地域でEVタイプの需要が高まるとみて、CPとの協業で拡販に弾みをつける。

カリフォルニア州は州内で販売する商業用トラック、バンのゼロエミッション車(ZEV)の割合を引き上げることをメーカーに義務付けている。同様の動きは他州にも広がる。独ダイムラー・トラックは食品流通業者の米シスコにEVトラックを納品することを公表。日野自動車も24年後半から米国でEV大型トラックの販売参入を決めている。


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日刊工業新聞 2023年10月20日

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