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倒産件数5割増、増勢ピッチはさらに強まる

倒産件数5割増、増勢ピッチはさらに強まる

倒産件数が700件を超えるのはTDBで3カ月連続、TSRで4カ月連続

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が発表した8月の倒産件数は、TDBが前年同月比50・5%増の742件、TSRが同54・5%増の760件だった。TDBは16カ月連続、TSRは17カ月連続で前年同月を上回った。

倒産件数が700件を超えるのは、TDBで3カ月連続、TSRで4カ月連続。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)利用後に業績回復のめどが立たず息切れする企業やエネルギーをはじめとする物価高、人件費高騰などが重荷となって事業継続を断念する企業が増加した。

TDBの業種別は、7業種のうち6業種で前年同月を上回った。TSRの産業別は2008年9月以来、約15年ぶりに全10産業で前年同月を超えた。

TSRは「業績改善が遅れた企業を中心に秋口以降、企業倒産の増勢ピッチが強まる可能性が高い」とみる。TDBも「年末にかけて資金繰りが厳しくなる中小企業がさらに増加する可能性がある」と指摘。年間倒産件数は「10月にも22年の6376件を上回る見込みだ」とする。


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日刊工業新聞 2023年09月09日

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