トラック販売が大幅回復、エンジン認証不正の日野自は?
トラック業界関係者がまとめた8月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比43・8%増の5742台となり、6カ月連続で前年同月を上回った。半導体をはじめとする部品の供給不足が回復傾向をたどっている。日野自動車のエンジン認証不正による生産停止は全需にも影響が出たが、一部機種の生産再開で「年度単位で見て、市場全体で2022年度に比べ大幅回復を見込める」(日野自)という。
企業別ではいすゞ自動車が前年同月比69・7%増、日野自が同41・2%増。三菱ふそうトラック・バスとUDトラックスも前年同月比で販売台数を伸ばした。
日野自は型式指定の取消処分を受けた「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」の出荷を2月に再開。この影響が顕著に出ている。8月の同社の大型トラック販売台数は同75・2%増と大幅プラス。直近3カ月間(6―8月)で見ても前年同期比63・5%増加した。
前年同期に比べ大幅に回復している販売台数だが、業界関係者は「5742台は決して大きな数字ではない」と分析する。半導体不足解消、日野自車両生産再開というプラス要因はあるものの、全需が大幅に増加しているわけではなく、22年度の大きな落ち込みから徐々に平時の状態に戻っているだけにすぎないとの見方も根強い。
日刊工業新聞 2023年09月08日