物流2024年問題に対応…トラックに後付け可能な情報表示装置の効果
マクセルが発売
マクセルは既存のトラックに後付け可能な情報表示装置を2025年上期をめどに発売する。フロントガラスに速度や運転時間、休憩回数などを表示するヘッドアップディスプレー(HUD)の役割を果たす。運転者が見やすい前方に情報を表示し、労働状況を容易に把握できる点を訴求する。トラックドライバーの長時間労働規制に伴う「物流の2024年問題」に対応する。主に物流会社に提案するほか、トラック以外の車への搭載も視野に入れる。
トラックのダッシュボード内に組み込むのではなく、既存のトラックに追加搭載できる仕様にする。23年から物流会社と共同で製品の評価を実施している。9月内にも実際の業務で使われるトラックに試験的に搭載する見込み。
HUD機能を持つ既存製品「ブライト ミラー ディスプレー(BM―ディスプレー)」の技術を、後付け可能な新製品に活用。映像をフロントガラスに明るく表示し、見やすくする。
新製品は、BM―ディスプレーに比べて画面の対角線の長さを約3分の1の79・8ミリメートルにする予定。画面の大きさは縦41ミリ×横68・4ミリメートルとし、重さは1キログラム以下、容積は1リットル以下にする方針だ。
マクセルはBM―ディスプレーを含めて6種類のHUDを開発済み。トラックなど商用車向けのHUD「T―HUD」も展開しているが、「(サイズが)大きいという顧客からの意見があった」(新事業統括本部設計部の三沢昭央担当部長)。
こうした要望に応えてBM―ディスプレーを開発。車のほか、デジタルサイネージ(電子看板)への展開も見込む。ただトラックは乗用車と比べ新車の販売台数が少ないことを勘案し、後付けできる製品の開発を決めた。
日刊工業新聞 2023年月9月5日