ＳＵＢＡＲＵ（スバル）は大型双発ジェット機「ボーイング７７７」の中央翼など製造・出荷開始から３０周年を迎えた。３日に宇都宮製作所（宇都宮市）で、７日に半田工場（愛知県半田市）で、それぞれ記念式典を行った。３日の記者会見で航空宇宙カンパニープレジデントの戸塚正一郎常務執行役員は「航空宇宙の本拠地がある栃木県のパートナー企業、愛知県を核とする中京地区のパートナー企業との協業を深化させ、さらなる成長を目指す」と抱負を語った。

スバルは１９７３年に米ボーイングの旅客機生産事業に参画。９３年に中央翼専用として半田工場（愛知県半田市）を稼働した。これまで半田工場から大型航空機の中央翼を累計３０００機超出荷している。中央翼は宇都宮製作所でサブ組み立てを行い、半田工場で最終組み立てを担う。宇都宮製作所でボーイング７７７の主脚扉や翼胴フェアリングも製造する。

中央翼は主翼と胴体をつなぐ“交差点”の役割で、戸塚常務執行役員は「飛行機全体のことが分かっていなければ設計できない。パーツが大きく、加工も難しい」と説明。「今後も次の技術、環境に対応した未来につながる開発に参画できるよう努める」と展望を語った。