スバルがEV競争力強化へ一手、「レガシィ」「インプレッサ」生産工場で電池パック内製
SUBARU(スバル)は2025年にも電気自動車(EV)の生産を開始する群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)でバッテリーパックを内製する。既存の建屋に専用ラインを設け、調達した電池セルにさまざまな電装部品を組み付ける。EVの心臓部となるバッテリーパックの組み立てを自社で手がけることで競争力を強化。同社にとっての主戦場である米国市場でのEV現地生産も視野に、まずは国内でノウハウを積み上げる構えだ。
矢島工場では主に「レガシィ」「インプレッサ」「クロストレック」「フォレスター」を生産している。老朽化した設備の更新と同時に現行のラインを改修し、25年をめどにEVとガソリン車を同じラインで製造する混流生産を始める。年産能力は26年に20万台規模を目指している。並行してバッテリーパックの内製に乗り出す。
27年以降には大泉工場(同大泉町)の敷地内にEV専用工場を稼働する。28年以降は大泉工場と合わせて40万台の生産能力とする計画。電池の安定確保に向け、パナソニックエナジーと協力する方向だ。EVの市場動向の変化に合わせて供給できるよう、車両、電池ともに柔軟性を持たせた体制とする。
スバルの新車販売は米国市場向けが約7割を占める。22年に成立した米国の「インフレ抑制法(IRA)」では北米で生産されたEVを税額控除の対象にしており、現地以外での生産は不利となる。
同社はまず群馬製作所でEV生産体制を立ち上げ当面は輸出で対応するが、国内で培った組み立てなどのノウハウを移植し米国工場での生産も検討するとしている。
EVのラインアップは、トヨタ自動車の工場で生産するスポーツ多目的車(SUV)タイプの「ソルテラ」に続き、26年末までに3車種のSUVを追加する。25年にもソルテラをベースとした第2弾のEVを国内で発売するとみられる。26年時点でEVのグローバル販売は20万台を目指す。
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