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荏原が韓国にドライ真空ポンプのオーバーホール新工場、半導体最大手の増産投資を想定

荏原は今秋までをめどに、韓国で半導体製造に使うドライ真空ポンプ(写真)のオーバーホール工場を稼働する。韓国では2番目のオーバーホール工場。韓国の半導体最大手による増産投資を想定し、メンテナンス需要が高まるとみる。顧客の拠点近くでオーバーホール工場を稼働し、需要増加時にすぐに対応できるようにする。

ドライ真空ポンプは半導体製造工程に真空環境を提供する装置。オーバーホールの第2工場は中西部の京畿道平沢市にある第1工場の近隣に建設する。韓国半導体最大手が同市内にある工場を近い将来拡張するとみる。

荏原はアジアや日本でオーバーホールの能力を拡充している。6月にはマレーシア・ペナン州でオーバーホールを手がける現地法人の事業を開始。同州には世界の半導体大手が進出しているが、これまで保守ビジネスは手薄だった。

台湾では完成品組み立ての第2工場を2025年までに建設する計画で、同工場でオーバーホールにも対応する。国内では24年7月、福島県伊達市に国内5カ所目のオーバーホール工場を新設する。

半導体関連の精密・電子事業は半導体需要拡大を追い風に好調で、ドライ真空ポンプは化学機械研磨(CMP)装置と並ぶ主力製品。オーバーホールでは製品を分解し、洗浄、修正、組み立て、試験し、新品同様に性能を回復させる。

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日刊工業新聞 2023年07月12日

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