荏原がドライ真空ポンプで新工場、半導体受託製造大手への供給能力高める
荏原は台湾に半導体製造装置のドライ真空ポンプの第2工場を建設する。完成品に組み立てる工場を新たに建設し、顧客の半導体受託製造大手への供給能力を高める。建設地や生産能力は非公表。半導体製造装置の化学機械研磨(CMP)装置のラボも建設する。顧客の近くにラボを置くことで、要望を製品に反映しやすくし、顧客の開発を支援する。いずれも今期からの中期経営計画期間の2025年12月期までの完成を目指す。投資額は非公表。
荏原は精密・電子事業でドライ真空ポンプやCMP装置などの半導体製造装置を手がける。ドライ真空ポンプは半導体製造プロセスに真空環境を提供する。台湾には台北市に組立工場が既にあるが、工場を新設する。世界的な半導体需要の拡大で、台湾の受託製造大手は生産能力を拡大しており、第2工場で対応する。オーバーホールも実施する。
CMP装置は半導体のウエハーを研磨する装置。ラボは第2工場内か別の場所に建設する。現状は日本と台湾で距離があるため、顧客の要望を製品に反映する時間がかかっている状況を改善する。
ラボは韓国に建設することも検討する。同様の理由で、韓国の半導体大手の要望を製品に反映しやすくする。現状はアジアにこうしたラボを設けていない。
荏原は半導体需要拡大を受け、CMP装置の新生産棟を熊本県南関町に25年に稼働する計画もあり、国内外で積極投資している。精密・電子事業は23年12月期(国際会計基準)は売上高が前期比21・5%増の2700億円、営業利益が同11・9%増の405億円を見込む。
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日刊工業新聞 2023年04月06日