「EVバスバー」生産能力2倍、自動車大手のEV主力車種に搭載
サンコールは2024年末めど
サンコールは2024年末ごろまでに、電気自動車(EV)など電動車の配線に使うバスバーの生産能力を現状比2倍に増強する。九州の子会社に新しくバスバーを生産するための設備を導入するとともに、専用の倉庫を新設。総投資額は約4億円。自動車大手が25年に量産を計画するEVに搭載が決まったことに対応するもので、26年3月期のバスバー事業の売上高は23年3月期比で約2・7倍の40億円に伸ばす計画だ。
バスバーの生産を増強するのはサンコール菊池(熊本県菊池市)で、既存工場内にフォーミング機や塗装機、巻き取り機といった生産設備を複数台追加導入する。23年の春ごろから一部設備を導入し、稼働を始めている。24年末ごろの本格稼働を目指す。
バスバーは銅などの金属による導体棒で、ワイヤハーネスと比べて大電流での使用に適している。電動車ではバッテリーとインバーターなどを接続する役割を果たしている。ワイヤハーネスと比べて、省スペースで設置できるのが特徴だ。世界的な環境意識の高まりを背景に、普及が拡大するEVやハイブリッド車(HV)向けで需要が拡大している。
サンコールはこれまでに国内メーカー2社のEVでバスバーが採用され、相次ぎ量産を開始した。さらにEVの主力車種での採用が決まったことで、バスバー事業の伸びが想定より上振れしている。同事業の26年3月期売上高見込みは従来予想の25億円から6割高くなる見通しだ。
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日刊工業新聞 2023年06月22日