積載量300kg・航続距離500海里…スペースエンタ「飛行艇型無人航空機」の実力
スペースエンターテインメントラボラトリー(福島県南相馬市、金田政太社長)は、19日に開幕した「パリ・エアショー2023」で、最大積載量300キログラムで航続距離500海里の飛行艇型無人航空機のコンセプトモデルを発表した。スケールモデルでの初期検証を終えており、20年代半ば以降に実用化を目指す。
スペースエンターテイメントラボラトリーは、水面を自動離発着・自動航行可能な飛行艇型無人航空機「ハマドリ3000」(翼長3・1×全長2メートル)と「同6000」(翼長6×全長4メートル)を開発。これまでに計4機を製作し、まず3000で目視外飛行の認証取得を目指している。
6000の最大積載量10キログラムに対し、発表したコンセプトモデルは同300キログラムと飛躍的に増加。500海里の長距離飛行能力と合わせて大重量の荷物を搭載して観測や輸送、警備、救難などさまざまな用途に使えるマルチロール機とする。
機体は双胴型で、必要に応じて主翼中央にカーゴ、ウインチ、センサーなどのペイロードポッドを吊り下げる仕組み。ターボプロップエンジンを搭載し、海面に3メートルの波が立っていても水上滑走可能な自動離発着機を目指している。実現すれば多くの機材を搭載し、排他的経済水域(EEZ)まで飛行・運搬可能な機体となる。
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日刊工業新聞 2023年月6月20日