三井化学が策定した「大阪工場カーボンニュートラル構想」の全容
三井化学は、主力の大阪工場(大阪府高石市)をモデルとしたカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)構想を策定した。ナフサクラッカーの燃料や原料の転換などによって二酸化炭素(CO2)の排出削減を進める。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、30年をめどに実装可能な技術を組み合わせて取り組む。
「大阪工場カーボンニュートラル構想」は、化学品原料のナフサを約850度Cで熱分解する際の燃料をメタンからクリーンアンモニアに切り替える。30年までにアンモニア燃料の分解炉を実装する計画。全ての分解炉で燃料をアンモニアに転換すると、年間約70万トンのCO2が削減できると見込んでいる。原料は化石由来ナフサからバイオマスナフサなどへの転換を進める。
副生ガス・オイルを用役プラントなどで使用する際に排出される年間70万トンのCO2を液化CO2に変換。その一部について、大阪工場が位置する堺・泉北臨海コンビナートで他社との連携による利活用や貯留を検討する。
大阪工場は年間約160万トンのCO2を排出する。橋本修社長は同日都内で開いた経営概況説明会で「大阪より西日本地区のコンビナートや企業との連携も視野に入れて強化していきたい」と展望を語った。
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日刊工業新聞 2023年06月02日