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デンソー・豊田合成・トヨタ車体…トヨタグループが披露する最新技術

「人とくるまのテクノロジー展2023」で紹介
デンソー・豊田合成・トヨタ車体…トヨタグループが披露する最新技術

トヨタ車体は超小型EV「コムス」の内外装に植物材料を使用し脱炭素をアピール

トヨタ自動車グループ各社は24―26日にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開かれる「人とくるまのテクノロジー展2023」(自動車技術会主催)で、電気自動車(EV)を構成する製品や部品、カーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)につながる技術を紹介する。「100年に一度」と言われる車の新潮流に対応した姿を見せる。

デンソーは2次元コード「QRコード」やブロックチェーン(分散型台帳)技術により、車載バッテリーの個体情報を管理するトレーサビリティー(履歴管理)システムを紹介。バッテリーの充放電履歴などを把握できるようにすることで、適切な二次利用や車両価値の保護を実現する。

電動駆動装置「eアクスル」向け製品を訴求するのはアイシンジェイテクト。アイシンは2022年に資本参加した東北マグネットインスティテュート(宮城県名取市)と開発中の高効率モーター向け技術を初出展する。ジェイテクトは”eアクスルメーカーの部品屋”になるべく、超小型・軽量を実現したディファレンシャルギア(デフ、差動装置)や軸受、シールなど「ウルトラ・コンパクトシリーズ」を展示する。

豊田合成の商用車向け大型高圧水素タンク

燃料電池車(FCV)や水素エンジン車など水素社会の実現を見据えた取り組みも増えている。愛知製鋼は水素の運搬・貯蔵・圧縮に貢献する高強度高圧水素用ステンレス鋼を紹介する。豊田合成はFCVの主要部品で、水素を約700気圧という高圧で圧縮して貯蔵する「大型高圧水素タンク」を展示。輸送トラックなどの商用車向けタンクとして展開する。

このほかトヨタ車体は植物材料「タブウッド」をアピール。同社が開発した超小型EV「コムス」の内外装にタブウッドを使用することで二酸化炭素(CO2)の排出を低減する。車体だけでなく、タブウッドを使った自動車部品や生活用品も披露する。トヨタ紡織は車室空間に新たな価値を創出するべく、乗員にくつろぎを与えるシートを出展する。自動運転の世界を見据えて、短時間で快適な仮眠に誘導するシステムを初出品。また肩などを優しくさすることで心身の健康を促す「タッチセラピー」を、遠隔で触感を伝送する技術を用いてシートで再現する技術も紹介する。


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日刊工業新聞 2023年05月19日

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