レクサス「RZ」が採用…デンソー「SiCパワー半導体インバーター」・豊田合成「エンブレム」の性能
デンソーは炭化ケイ素(SiC)パワー半導体を搭載したインバーター(写真)を開発し、トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の新型電気自動車(EV)「RZ」に採用された。従来のシリコンを使ったパワー半導体に比べて電力損失を半減以下にし、約2%の電費向上につながった。今後もSiC搭載製品や採用車両の拡大を目指す。
デンソーとアイシン、トヨタ自動車の共同出資会社、ブルーイーネクサス(愛知県安城市)の電動駆動モジュール「eAxle(イーアクスル)」に搭載した。豊田中央研究所(同長久手市)と共同で、欠陥を低減してSiCウエハーを作る技術を開発し、車載に対応する品質の高さを確保した。
電費向上により、航続距離の延長につながる。デンソーがSiCパワー半導体をインバーターに搭載するのは初めてという。
豊田合成はミリ波レーダーを透過し発光機能を併せ持つ新エンブレム(写真)と、車室内に光の装飾を投影する発光ダイオード(LED)ランプユニットを開発し、トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の新型電気自動車(EV)「RZ」に採用された。新エンブレムでは先進運転支援システムと見栄えを両立し、ランプユニットでは内装の多様化を実現する。新エンブレムは独自の金属調塗布技術と光学設計技術により開発。エンブレムの構造などを工夫することで、光とレーダーの両方を透過するようにした。EVの充電状態やドライバーが近づいた際に光で通知するなどの機能もある。
ランプユニットはLEDランプに装飾を施した柄プレートを組み込むことで多様な光の模様を投影する。ドアの斜め前方から光を照射することで乗員の影の映り込みを防ぐ。
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日刊工業新聞 2023年04月10日