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生産能力4倍に、パナソニックHDが車載電池に6000億円

生産能力4倍に、パナソニックHDが車載電池に6000億円

オンライン会見を行ったパナソニックHDの楠見社長

パナソニックホールディングス(HD)は車載電池を重点投資領域に据えると発表した。HDが資金を積極投入する事業として位置付け、2022―24年度のグループ戦略投資6000億円を主に同領域に充てる。多くは建設中の米カンザス工場の整備費用となる見通しで、合わせて研究開発拠点の整備も進める。30年度までに22年度の約4倍の200ギガワット時の生産能力確保を目指し、いっそうの生産能力増強も視野に入れる。

車載電池領域は北米の電気自動車(EV)市場拡大をはじめ世界的に自動車の電動化要求で市場の成長が見込める。傘下のパナソニックエナジーは、現在の主力の「2170」を米カンザス新工場で生産拡大する。より大型の「4680」は和歌山工場(和歌山県紀の川市)で安定生産のノウハウを確立した後に米国へ大規模展開予定。また、24年に大阪市住之江区の生産技術開発、25年に大阪府門真市の新機種・材料開発拠点を新設する。同日オンライン会見した楠見雄規社長は「資金調達はさまざまなオプションを検討している。グループを挙げて車載電池の成長を加速する」と意気込んだ。

車載電池はパナソニックグループの二酸化炭素(CO2)削減貢献量の6割を担う。環境方針「パナソニックグリーンインパクト(PGI)」でも重要な役割を持つ。楠見社長は「PGIの実現により、経営課題である地球環境問題の解決とグループの成長の両立を果たす」と力説した。


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日刊工業新聞 2023年05月19日

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