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パナソニックが水素電池で工場に熱・電気供給、中国で実証する狙い

パナソニックは中国現地法人のパナソニックエナジー無錫(江蘇省)で、純水素型燃料電池によって工場に熱と電気を供給する実証実験を始めた。中国市場に同電池を4月投入することから、実証実験を水素利用のショーケースとして活用。車載向けが中心の中国の燃料電池市場で、長寿命の定置型システムを投入し、差別化を狙う。

実証では出力5キロワットの小型定置型燃料電池(写真)を8台導入する。工場の生産ライン向けに熱と電気を供給するほか、夏場は臭化リチウム冷凍機へ温水を供給して冷熱を作り冷房にも活用する。パナソニックとしては燃料電池を使って冷房、暖房、電力に活用する初めての実証実験となる。

パナソニックでは2022年4月に滋賀県草津市の燃料電池工場でも定置型燃料電池99台を導入し、太陽電池や蓄電池と組み合わせた自家発電で工場内の電力の再生可能エネルギー化に向けた実証を始めている。


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日刊工業新聞 2023年03月15日

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