出力2倍…半導体後工程向けレーザー発振器開発
スペクトロニクスが販売へ
スペクトロニクス(大阪府吹田市、長岡由木彦社長)は従来製品よりも出力を高めたピコ秒(ピコは1兆分の1)深紫外レーザー発振器「LDH-X1510」を開発した。出力は従来の約2倍の最大15ワットで、波長が266ナノメートル(ナノは10億分の1)。半導体の後工程向けに提案する。年内にも販売を始める。他の製品との部品共通化で生産性を高め、数年中に年間100台の生産を計画する。
開発したレーザー発振器は出力を高めながら、従来製品と同等の1万時間以上の連続動作時間を維持した。半導体向けのパッケージ基板の加工など、後工程での活用を提案する。価格は個別見積もり。有機ELディスプレーなどの加工も想定している。
また同様のコンセプトで出力が30ワット、波長が355ナノメートルのレーザー発振器「LDH―V3010=写真」を、同―X1510に先行して月内に発売する。価格は個別見積もり。
同社は短波長ピコ秒パルスのレーザーに強みを持つ。波長の短い光を一点に集めながら、ピコ秒の短い間隔で照射することで、微細でバリなどが少ない加工ができる。ガラスや炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの素材にも微細加工を施せる。
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日刊工業新聞 2023年05月10日