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省人化ロボレストランを海外で提案、テックマジックの勝算

省人化ロボレストランを海外で提案、テックマジックの勝算

客は店頭のセルフレジで、ほしいメニューを注文する

テックマジック(東京都江東区、白木裕士社長)は、省人化ロボットレストランの海外展開を念頭に置いた提案活動に着手する。5月にシンガポール、6月に米国でそれぞれ開かれる展示会に調理ロボットの活用イメージなどを出展し、省人化や時間短縮効果をアピールする。米国やシンガポールは人件費やメニューの値段が日本より高いため、ロボを導入しても投資回収がしやすい。人手不足を追い風にPRし、注文につなげる。

5月にシンガポールで開く食品産業展示会と、6月に米国ニューヨークで開く「国際フランチャイズショー」に出展し、それぞれパスタ調理の「P―Robo」、スープヌードル調理の「N―Robo」の活用などを提案する。海外への出展はテックマジックにとって初めて。

P―Roboを使ったパスタ店は、東京・丸ビルのプロントコーポレーション(東京都港区)との共同店舗や同・恵比寿の自社店舗など5店を展開している。N―Roboを導入した店舗は東京・渋谷スペイン坂に1号店を29日に開業し、実店舗で運営効率化のためのデータ収集を始めている。スペイン坂の店舗はセルフレジや固形状の原料食材、容器の工夫などで通常4人程度必要な運営が1―2人でできる。

テックマジックが海外展開を目指す背景には低価格要求が群を抜いて厳しい、日本特有の実情がある。日本だと価格が10円高くても客は他店に流れ、土地代が高くロボシステムの省スペース化も求められるために開発費が上がる。店側が求める値段ではシステム提供は困難だ。欧米やシンガポールなどは店員の時給も数千円と高く、高価なロボシステムを導入しても省人化効果で元が取れる。そのため、「国内よりも海外から、問い合わせが多く来ている」(白木社長)という。

日刊工業新聞 2023年月5月2日

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