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インボイス制度、登録事業者番号の収集代行します

大日本印刷(DNP)とDNPコアライズ(東京都新宿区、斎藤友紀雄社長)は、10月に適格請求書等保存方式(インボイス制度)が施行されることを踏まえ、取引先の登録事業者番号を収集する業務委託(BPO)サービスの提供を18日に始めた。同制度施行に伴って発生する単発的で負荷が高い作業を代行し、経理担当者が他の重要な業務に集中できるよう支援する。価格は個別見積もり。既に29社での採用が決まっており、10月までに50社での導入を目指す。

「登録事業者番号収集サービス」の概要

「登録事業者番号収集サービス」は、同番号の有無や該当する番号を取引先1社ごとに確認して取得する。取引先が法人・個人事業主のどちらでも対応可能なほか、取引先からの問い合わせを受けるコンタクトセンターも設置。登録事業者番号の収集に関する業務を全て代行できる。

顧客が持つ法人取引先のデータベース(DB)を預かり、公示のDBと照合して登録事業者番号を取得する。取引先データは、企業名や所在地などの表記に統一性がない場合でもDNPが修正して適切な番号を取得する。

取引先が個人事業主の場合は、個人情報保護の観点から個人名をDBと照合することが難しい。封書で直接、登録事業者番号を取引先に確認する必要がある。

DNPは文面作成や封入、返送された郵便物の回収、回答内容のデータ化、正誤チェック、未回答取引先の洗い出しなどを代行。回収した情報の正誤はシステムで自動判定するため、短納期で納品可能という。

DNPコアライズ事業戦略本部事業企画部の佐藤潤副部長は「現場を担う経理の方から課題を聞いてサービスを作り込めた。今後もこの手法を用いたい」と話す。

インボイス制度で買い手が仕入れ税額控除を受けるには、売り手の登録事業者番号を支払明細書や請求書に明記する必要がある。控除を受けられない際の損失額は年間で億円単位に上る場合もあり、業績に影響する。

日刊工業新聞 2023年月4月18日

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