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脱炭素・生産改善を評価、日産の新たなサプライヤー支援の中身

脱炭素・生産改善を評価、日産の新たなサプライヤー支援の中身

日産の追浜工場(イメージ)

日産自動車はサプライヤーの脱炭素や生産改善の取り組みを評価し、企業努力に応じて部品生産にかかるエネルギー費用上昇分の負担割合を決める方針だ。サプライヤーを含むバリューチェーン全体での二酸化炭素(CO2)排出量削減を視野に入れる中、今回の取り組みがサプライヤーへの支援強化と同時に、脱炭素を促進する一つのインセンティブになる公算が大きい。

電気やガスなどの値上がり分を一定程度負担するが、その上で生産の効率化や太陽光発電設備の導入など、これまでの省エネに向けた取り組みを個社ごとに評価した上で負担割合を決める。

一方、半導体調達をめぐる新たな取り組みも始める。新型コロナウイルス感染拡大以降、需給がひっ迫し、価格が高騰しており、サプライヤーの収益を圧迫している。半導体は一定の数量(ロット)単位で価格が大きく変動する。日産は調達の時期や量に応じて価格上昇分を負担する考えだ。

日産の新車生産の規模は2019年まで年500万台前後だったが、半導体不足などの影響を受け、22年には年300万台前半にまで縮小した。

一方、日産との取引が多く、上場する部品サプライヤー6社のうち、2社が23年3月期に営業赤字を予想。その他4社合計の23年3月期の営業利益予想は、コロナ禍前の19年3月期と比べ約8割減を見込むなど、厳しい収益環境が続く。

日刊工業新聞 2023年04月03日

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