ホンダが来年度の値下げ要請見送り、系列サプライヤーの声
ホンダが主要な1次取引先に対する値下げ要請を2024年3月期は行わない方針であることが1日、明らかになった。原材料やエネルギー価格の高騰、4輪車の減産などでサプライヤーの事業環境が悪化していることに配慮した。1次取引先への要請を見送ることによって、2次、3次取引先に対しても原材料高騰などに応じた価格転嫁を促すことを要請。部品会社の費用負担を減らすことで、サプライチェーン(供給網)の競争力強化につなげる。
ホンダはこれまで年1回、サプライヤーに対して値下げ交渉をしてきた。原材料やエネルギー価格の高騰などによる負担を供給網全体で吸収することで、サプライヤーが成長投資や賃上げに回せるようにする。
ホンダ系サプライヤーの幹部は「現在、非常に厳しい事業環境に置かれている。(値下げ要請がなかったのは)我々の立場をしっかり理解してもらえた結果だと捉えている」と評価。「一部製品はこれまでよりも高い価格で買ってもらえている」と話す。
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日刊工業新聞 2023年03月02日