日産がメタバースで新車販売、ブランド訴求につながるか
日産自動車と日産東京販売(東京都品川区)は8日、メタバース(仮想空間)上で新車の相談や購入ができる仮想店舗(プラットフォーム)の実証実験を始めたと発表した。日産によると車メーカーがメタバースで新車を販売するのは初めて。販売店まで足を運ぶことに敷居の高さを感じていた顧客との新たな接点を増やし、ブランドの訴求や販売の底上げにつなげる。
日産は仮想店舗「ニッサン・ハイプ・ラボ=イメージ」を開設。利用者はパソコンなどから入場してアバター(分身)を設定し、日産車やバーチャルスタッフが配置されたラボ内で散策や相談ができる。
実際に購入を検討する場合、プライバシーを保護した仮想空間で日産東京販売の営業スタッフが直接、相談、見積もり、電子契約などに対応。高精細な3次元(3D)シミュレーターによるリアルな車両や資料を基にイメージを共有しながら購買体験ができる。
実証実験は6月30日まで。24時間ラボを運営し、11―20時はスタッフが常駐する。軽電気自動車(EV)「サクラ」など4車種を展示。商談などの実サービスは東京都を中心に展開する。日産の山口稔彦部長は「実証の結果により対象地域の拡大も検討する」とした。
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日刊工業新聞 2023年03月09日