ホンダがコンセプトマシン開発、着脱式可搬バッテリー搭載「電動耕運機」の実力
ホンダは着脱式可搬バッテリーを搭載した電動耕運機のコンセプトマシン(写真)を開発した。付近に充電ステーションや電源がない田畑に軽トラックなどでそのまま持ち込み、作業を始められる。途中でパワーがなくなっても、空になった電池を充電済みのものと交換すれば充電時間を待たずに作業を続けられる。建設機械で同バッテリーを搭載した電動マイクロショベルや道路工事用電動ローラーが登場したが、農業機械分野にも波及してきた形だ。
コンセプトマシンの寸法は全長1980ミリ×幅1350ミリ×高さ590ミリメートルと小型。軽量のため持ち運びが容易で、農業で一般的に使われる軽トラの荷台にも載せられる。
電動のため始動が簡単で、高いトルク性能により優れた作業性を発揮する。車輪も小さいため、田んぼのぬかるみにはまって立ち往生したり、畝や作物を傷めたりしてしまう恐れも小さい。
排ガスを出さず騒音や振動が小さい長所は、都市近郊の住宅地に囲まれた田畑や、中山間地の田畑にも好都合だ。環境対応をうたう有機農業にも使える可能性がある。ホンダは同コンセプト機を各地の展示会などで出展し、顧客の反応を見て商品化の可能性を探る考えだ。
【関連記事】 ホンダが新しいクルマ作りで必ず頼りにする機械メーカー
日刊工業新聞 2023年03月28日