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主要部材全て結晶化ガラス、新開発「全固体電池」が実現する性能

日本電気硝子が早期実用化へ

日本電気硝子は、主要部材が全て結晶化ガラスで構成された全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池を開発した。有機系電解液よりNaイオン伝導性が高い結晶化ガラス性の固体電解質を新たに開発し、すでに開発していた結晶化ガラス性の正極と負極と一体化した。広い温度範囲で稼働可能なのが特徴。幅広い用途での利用を見込み、早期の実用化を目指す。

新開発の全固体電池は主要部材である正極と負極、固体電解質を全て結晶化ガラスで統一した。電解質が固体のため温度によって蒸発したり凍結することがなく、マイナス40―200度Cまで、広い作動温度域を実現。出力電圧は3ボルトで、現行のリチウムイオン二次電池に匹敵する。同社が以前開発した固体電解質にベータアルミナを活用している全固体電池より、フラットかつ薄いのも特徴。これにより、電池の設計自由度が高まるという。

資源量が豊富なNaを活用でき、安定な物質である酸化物材料で構成されているため、クギなどが刺さっても発火や有害ガスが発生しない高い安全性が特徴。


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日刊工業新聞 2023年03月03日

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